「考えすぎて動けない」のは身体が麻痺しているから?ゆっくり動くほど本音が見える理由

考えぎて動けないを終わらせる  Body

これまで3回にわたり、身体が入り口であること、思考の限界、そして私たちの身体が数万年前から変わっていない話をしてきました。

それでも多くの人は、こう思っているはずです。
「で、結局なにをすればいいの?」
「身体の声を聴くって、どういうこと?」

「身体の声を聴く」というと、曖昧でスピリチュアルな話に聞こえるかもしれません。
ですが、やることはとても地味です。

日常の身体の動きを、ただ“感じる”だけ。

・どんな動作を、無意識に繰り返しているのか
・どんな動きが多いと疲れるのか

自分だけの行動パターンがわかってくると、肩が凝る前に違和感に気づけたり、「本当はやりたくない」「これは心地いい」といった感覚が、思考より先に見えてきます。

今回は、私が身体に意識を向けることで、思考のループから抜け出せた実体験と、今日からできる具体的な身体感覚への向き合い方を紹介します。

なぜ、人によって身体の疲れ方が違うのか?

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デスクワークで座りっぱなしの人。
現場で歩き回り、重い荷物を運ぶ人。

職種によって、日常的な身体の動きはまったく違います。

では、同じデスクワークの人同士ならどうでしょうか。
腰が痛くなる人もいれば、首や肩が凝る人もいます。

歩くという同じ動作ひとつを取っても、
ふくらはぎが張る人、太ももがパンパンになる人、足裏が痛くなる人。
疲れる場所は人それぞれです。

「姿勢が悪いから」「運動不足だから」
それだけでは説明できない違いが、同じ環境であるのはなぜでしょうか。

それは、人それぞれが何十年とかけて作り上げた「身体の使い方のクセ」が違うからです。

速く動いていると、このクセは見えづらい。
勢いと反動で、身体の弱い部分や固まっている部分を誤魔化せてしまうからです。

だからこそ、ゆっくり動くほうが難しい。
ゆっくり動くと、誤魔化しが効かず、引っかかりや不快感、動きにくさがそのまま表に出てきます。
人は本能的に、その「見たくない感覚」を避けてしまうのです。

「仕事だから仕方ない」と諦めるのは簡単ですが、自分の身体の可能性を最初から放棄しているのと同じです。

自分のクセに気づければ、凝る前や疲れる前に、自分で整えることができるようになります。

【体験談】身体感覚に意識を向けて、変わった見た目と思考

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私自身、最初から身体感覚に敏感だったわけではありません。靴の学校に通い、就職先で「身体の動きを引き出すインソール」に出会ったことが転機でした。

二十数年かけて染みついたクセは、最初は気づくことさえできませんでした。
それでも、意識して身体を動かすようになってから、はっきりとした変化が現れました。

私は小さな頃から正座を長くしていたせいか、膝から下が外側に湾曲する下腿内湾(O脚の一種)がコンプレックスでした。

ところが、身体感覚を意識し始めてから、脚の隙間が少しずつ埋まり、まっすぐに近づいていきました。

今でも座りっぱなしで筋肉のバランスが崩れると、隙間が開くので「そろそろ動かなきゃまずいな」という自分の身体の状態を映すバロメーターになっています。

本来、私たちの鎖骨から胸にかけて丸みを描いています。
しかし、現代人はスマホやPCの影響で、胸元(デコルテ)が縮こまっていて、呼吸が浅くなり、肩も丸まって凝りやすい状態です。この縮こまる姿勢は、本能的に人間が不安を感じたときにする防御姿勢に近い形になります。

かつての私は「自分なんて……」とネガティブになりがちでした。デコルテに丸みが戻るにつれ、ネガティブな思考が出ても振り回されなくなりました。

身体の状態が、思考の土台になっている。

この実感は、今も私のなかの変わらない指標として、身体を整えようという気持ちにさせてくれます。

今日からできる!日常の動作を使った身体感覚の気づき方

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特別な運動は必要ありません。
日常の動作に、ほんの少しだけ意識を向けてみてください。

最初は「感じようとしても、よく分からない」と思うかもしれません。
でも、焦らなくて大丈夫です。
わからないと気づくこと自体が、最初の一歩です。

コップを持つ、洗濯物を干す、しゃがむ。
日常で無意識にしている動きを1回だけでもいいので、あえてゆっくりやってみてください。

最初は思っているより、しんどいはずです。

ゆっくり動かしてみると「あ、ここで動きが止まるな」「何か引っかかる感じ」など、滑らかに動かないところがあります。そこが、身体の固まっているポイントです。

通勤や散歩中、足裏の感覚に意識を向けます。
やり方は簡単で、アナウンサーの実況のように

「右足がついた」
「重心が移動した」
「左足が離れた」

と、頭の中で実況するだけです。

これだけで、意識が「頭のなかの悩みごと」から「今、ここにある身体」に戻ってきます。

筋肉を使わなければ、使い方、動かし方を忘れてしまいます。

もし、普段の生活で下ばかり見ているなら、3回だけ空を見上げる。
それだけで、眠っていた筋肉や神経が「動いていいんだ」と思い出します。

コツは、ゆっくり、できる範囲で大きく動かすこと。

いつもの動きと逆の動作を、意識的に取り入れてみてください。

身体感覚を信じられると、人生の選択がシンプルになる

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身体感覚に意識を向けることは、単に身体が楽になるだけではありません。
自分にとっての「正解」や「心地よさ」を、他人の基準ではなく、自分の感覚で選べるようになります。

一番危険なのは、凝っていることすら感じなくなる“ 麻痺の状態”です。

今日、一つでもいいので、何かの動作をゆっくりやってみてください。
うまくできなくても構いません。「できない」と気づけた瞬間から、身体はすでに変わり始めています。

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