「あなたはどうしたい?」
「今、どんな気持ち?」
そう問われるたびに、私はいつも言葉が出てきませんでした。
自分のことなのに、即座に答えが出てこない。同じ質問にスラスラと答え、ときに熱く語り、人を楽しませられる人を、羨ましく眺めていました。
子どものころは、もっと単純に「これ好き!楽しい!!」と言えていたはずなのに。
一体いつから、私は自分の「答え」を見失ってしまったのでしょうか。
「正解」を求めて、自分が見えなくなる

思い返せば、それは「人目を気にするようになってから」でした。16歳で実家を出て、自立して現実を生きていかなければならない状況に、私は必死に「社会で生きていくための正解」を詰め込みました。
生活のための家事、円滑な人間関係を築くための配慮、気遣い、コミュニケーションスキル……。「みんなができていることが、私にはできない」そんな恐怖や苦手なことを突きつけられるたび、「もっとできるようにならなきゃ」と自分を追い込みました。
当時の私は、家中のあちこちにメモ書きの付箋を貼っていました。たまに訪ねてきた家族が「これはヤバいのでは?」と心配していたと、あとになって話してくれました。けれど、私自身は付箋を貼っていた記憶がまったくないのです。
それほどまでに余裕がない頭のなかは、グルグルと不安や心配ごとを考えるばかり。目の前のことに必死で、自分の内側の声を聞く余裕なんて、1ミリもありませんでした。
身体が出していた、強制終了のサイン

仕事をするようになっても、違和感は消えませんでした。
「仕事は我慢料」「お金をもらっているんだから当たり前」。そんな言葉に自分を納得させようとするほど、心と身体はバラバラになっていきました。
しだいに身体が思うように動かなくなってきます。
ついには「本当に仕事に行きたくない」と、ポッキリと心が折れてしまいました。
もう、気合いや根性ではどうにもならないところまで来ていました。
その後も、専門学校へ通い直したり、再就職したりと寄り道を繰り返しましたが、何度やり直してもだんだん疲れてしまう。気づくと、また自分を責める癖が戻っていました。
SNSや自己啓発本を見て、楽しそうな人を真似してみたけれど、続きませんでした。
身体は、子どもみたいに正直だった

そんな「自分迷子状態」から抜け出すきっかけとなったのが、「身体の感覚」に意識を向けることでした。
「今、どんな気持ち?」と聞かれるとわからないけれど、「今、肩に力が入ってる?」「呼吸が浅くなってない?」という問いかけなら、少しずつ答えられたのです。
最初は自分の身体の状態すら「これで合ってる?」と正解を外に求めてしまうほど、自分を疑う癖がついていました。けれど、練習を重ねるうちに気づいたのです。
頭は「やるべきだ」と嘘をつけるけれど、身体は嘘をつけない。
苦手な人を前にすれば身体はギュッと硬くなるし、本当に楽しいことなら、何時間でも疲れを感じず夢中になれる。
「あ、今身体が緊張したな。なんでだろう?」そうやって身体を客観的に観察し始めてから、今まで近すぎて見えなかった「自分自身」がようやく見えてきました。
静かな感覚のなかに、軸ができた

身体の声を聞くようになってから、私の毎日は変わっていきました。
身体がゆるんでくると、あんなにひねり出そうとしても出なかった「自分は結局何がしたいの?」という答えが、自然と向こうから浮かんでくるようになりました。
10代、20代の頃より、今のほうが身体が動くし、何より楽しい。 たとえ不安定な状況だったとしても、昔の私より自由に生きれるようになったのが何だか嬉しかった。
これからのこと

何でもできる時代だからこそ「どうしたいのか」わからなくなっている方へ。 頭で考えすぎて進めない日々をやめて、自分の身体の声に耳を傾けてみませんか。
このブログではいまの私が大事にしていることを、少しずつ書いていこうと思います。
👣足もとから整える (Body)
すべての土台は、身体の状態に気づくことから。
私自身のきっかけは「1枚のインソール」でした。足裏から感覚を変えることが、どれほど心を安定させるかを実感しました。呼吸を深め、強張りをほどくためにしてきたことを書いていきます。
🌿心地よく暮らす (Life)
「やるべき」で埋め尽くされた日常を、「心地いい」で塗り替えていくこと。日々の何気ない楽しみを取り戻し、住まいや働き方を自分の身体が喜ぶ形に再構築していくプロセスを綴ります。
✈️旅と再起動 (Journey)
ときには日常を離れ、新しい景色に身を置くことで、凝り固まった感覚をリセット。五感をフル活用して、自分をアップデートするための「再起動」の時間を大切にしています。
最後に
キャリアや仕事、暮らし方に悩むすべての人に。
「身体の感覚」を通して、悩む時間が少しずつ「自分を整える時間」に変わっていく。そんな変化をここに一歩ずつ残していきたいと思います。

